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ETCカードを挿入し忘れて追突された運転者に過失はあるか?

2021年06月22日

(公財)日弁連交通事故相談センターが発行する「交通事故相談ニュース No.30」の「ETCレーン付近の事故と過失相殺」の記事が興味深かったので、
内容の紹介と私見を述べたいと思います。まず、ETCレーンでの事故の基本過失については、先行車がETCレーン付近で急停止したときでも、ETCの利用規約を引用して、後続車の過失割合を100%とする判例が主流のようです。

次に、ETC開閉棒が開かなかった原因が、先行車がETCカードを挿入し忘れているような場合、先行車に過失があるかどうかの判断は結論が分かれているようです。

  1. 先行車に過失を認める判例は、ETCカードを挿入し忘れを過失ととらえて、先行車に1~20%の過失を認めているようです。
  2. 先行車に過失を認めない判例は、利用規約等によれば、先行車が急停止した場合でも、後続車には追突しないような措置を講ずべき注意義務が課されているとして、先行車の過失を認めていないようです。

私見ですが、後続車は、何らかの理由によりETC開閉棒が開かず先行車が急停止することを当然に想定しておくべきで、後続車にはいかなる場合であっても、先行車がETCレーン付近で急停止したときには追突をしないようにすべき注意義務があるといえます。

そのため、先行車の急停止がETCカードの挿入し忘れを原因とするものだとしても、そのこと自体を先行車の過失ととらえることは無理ではないかと思います。

よって、私見は②と同じ結論になります。

私も普段、仕事で高速に乗ることが多いので、ETCカードは使用していますが、とても便利なものだと思います。記事を読みながら、世の中にこうした便利なものが出てきたときには、新たな形の交通事故が出てくるんだなということを感じました。

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