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自転車に乗車中のイヤホンは違反?自転車乗車の注意点

2025年01月14日

2024年11月の道路交通法改正によって、自転車の「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」に関する罰則などが強化されました。

改正によって、運転中にイヤホンを使用する行為は違法なのか、罰則はあるのかなど疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、自転車運転中のイヤホン使用が違法になるケースや罰則などについて詳しく解説します。

道路交通法改正による今後の影響についても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

 

自転車に乗りながらイヤホンを使用する行為は道路交通法違反?

自転車に乗りながらイヤホンを使用する行為は、道路交通法で明確に禁止されているわけではありません。

しかし、イヤホンの使用が原因で安全な運転ができなくなった場合、「安全運転義務違反」に該当する可能性があります。
・安全運転義務違反になる可能性がある
・安全運転義務違反となるケース
・安全運転義務違反の罰則

なぜ安全運転義務違反となるのか、また該当し得るケースや罰則について以下で具体的に確認していきましょう。

安全運転義務違反になる可能性がある

イヤホンの使用によって安全な運転ができない状況となっている場合、「安全運転義務」に違反する可能性があります。

道路交通法第70条で定められた安全運転の義務は、以下のとおりです。

(安全運転の義務)
第七十条車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
引用元:道路交通法|e-GOV法令検索

自転車は道路交通法上の軽車両の一種であるため、「車両等」には自転車も含まれます。

運転者は状況に応じて他人に危害を及ぼさないよう安全に運転しなければなりません。

イヤホンの使用によって歩行者やほかの車両との事故につながった場合は、安全運転義務違反とみなされる可能性があるでしょう。

安全運転義務違反となるケース

自転車運転中にイヤホンを使用した際、安全運転義務違反となる可能性があるのは以下のようなケースです。
・周囲の音が遮断され安全確認が不十分であった場合
・音楽に集中していて運転操作を誤った場合
・スマートフォンやイヤホンの操作による前方不注意があった場合

これらの行為が原因で交通事故を引き起こした場合、安全運転義務違反とみなされる可能性が高くなります。

交通事故につながるリスクを軽減させるためにも、運転中のイヤホンの使用は避けましょう。

安全運転義務違反の罰則

安全運転義務違反の罰則は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

ほかの車両などの通行を妨害する目的があったり、重大な事故を引き起こしたりした場合はさらに重い罰則が科される可能性もあるでしょう。

また、刑事罰が科されなかったとしても、交通事故を起こした場合は民事責任を問われる可能性があります。

事故の被害状況や過失の割合によっては、高額な損害賠償金を請求される場合もあるため注意が必要です。

 

各都道府県の交通規則や条例で自転車運転中のイヤホンが禁止されている

各都道府県の交通規則や条例では、自転車運転中のイヤホン使用が明確に禁止されている場合があります。
たとえば、東京都の「東京都道路交通規則」による車両運転中のイヤホン使用に関する規定は以下のとおりです。

((運転者の遵守事項)
第8条 法第71条第6号の規定により、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)の運転者が遵守しなければならない事項は、次に掲げるとおりとする。(5) 高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。
引用元:東京都道路交通規則

上記の規則に違反した場合、5万円以下の罰金が科される可能性があります。

具体的な禁止行為や罰則は都道府県によって異なるため、車両を運転する際はしっかりと確認するようにしましょう。

片耳イヤホンや骨伝導イヤホンの扱いは?

イヤホンを片耳にしかつけていない場合や、耳をふさがない骨伝導イヤホンの場合はどうなるのか気になる人も多いでしょう。

島根県や埼玉県など一部の自治体では、片耳イヤホン・骨伝導イヤホンに関しても周りの音が聞こえない状態での使用は禁止としています。

通常のイヤホンより周囲の音が聞こえやすい状況であっても、運転に影響するリスクがなくなるとはいえません。

明確に禁止されているかどうかにかかわらず、基本的には運転中のイヤホンの使用は避けた方がいいでしょう。

 

自転車のイヤホン使用も対象!法改正で押さえておくべきポイント

2024年11月の道路交通法改正では、自転車の交通違反に関しても青切符による取締りを導入することが規定されました。

ながらスマホや酒気帯び運転だけでなく、自転車運転中のイヤホン使用も取締りの対象となります。

道路交通法改正で押さえておくべきポイントは、以下のとおりです。
・2026年5月頃までに青切符の取締りが開始する
・青切符交付の対象となるのは16歳以上
・重点的に取締りの対象となる違反行為
・危険な違反行為を繰り返した場合は自転車運転者講習の対象となる

各ポイントについて、以下で一つずつ解説していきます。

2026年5月頃までに青切符の取締りが開始する

改正道路交通法により、自転車の交通違反にも青切符を交付する制度が導入されます。

法律が公布された2024年5月24日から2年以内、つまり2026年5月頃までに青切符の取締りが開始されます。

青切符とは、交通反則通告制度にもとづいて交付される告知書を指し、違反者に反則金を納付させるものです。

自転車運転中のイヤホンやヘッドホンの使用も交通違反の対象となっており、今後はより取締りが強化されることが予測されます。

青切符交付の対象となるのは16歳以上

青切符交付の対象となるのは、16歳以上の利用者です。

高校生を含む学生や未成年者であっても、違反行為をした場合は青切符の取締り対象となります。

青切符を交付された際、刑事処分を受けるのを避けるためには期限内に反則金を納付しなければなりません。

自転車を利用する際には、年齢にかかわらずルールを守った安全運転を心がけましょう。

重点的に取締りの対象となる違反行為

重大な事故につながる可能性のある違反行為は、重点的な取締りが予定されています。

重点的に取締りされるのは、以下のような違反行為です。
・信号無視
・一時停止無視
・携帯電話を使用しながらの運転

たとえば、自転車に乗りながらイヤホンをして動画を視聴する行為なども該当するでしょう。

事故リスクの高い行為は取締り対象となる可能性も高いため、注意して運転する必要があります。

危険な違反行為を繰り返した場合は自転車運転者講習の対象となる

交通の危険を生じさせるような違反行為で3年以内に2回以上検挙されると、「自転車運転者講習」の対象となります。

公安委員会から自転車運転者講習の受講を命じられた運転者は、定められた期間内に受講しなければなりません。

命令を無視して講習を受けなかった場合には、5万円以下の罰金が科されます。

対象の違反行為には安全運転義務違反や携帯電話使用などが含まれるため、イヤホンの使用で受講となるケースも考えられるでしょう。

 

自転車運転中のイヤホン使用は避け安全運転を心がけよう

自転車を運転しながらイヤホンを使用する行為は、事故のリスクを高める危険な行為です。

安全運転義務違反や各都道府県の条例違反として、罰則が科されるケースもあります。

また、2026年以降は青切符による取締りの導入が予定されているためさらなる注意が必要です。

万が一、自転車運転中のイヤホンの使用によって事故を起こしてしまった場合や巻き込まれてしまった際は、適切な対応が求められます。

事故の対応に不安がある場合は早めに専門家である弁護士に相談し、アドバイスを受けるのがおすすめです。

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