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交通事故の葬儀関係費はどこまで請求できる?

2023年08月12日

交通事故で被害者が死亡してしまった場合に、加害者側に請求できる損害賠償項目の一つとして葬儀関係費があります。

実際にどのような費用が葬儀関係費として認められるのか、詳しく知っている人は少ないでしょう。

今回の記事では、交通事故で生じる葬儀関係費の範囲や基準となる金額について詳しく解説していきます。

基準となる葬儀関係費用を超えた場合についても解説するため、ぜひ最後までご覧ください。

 

葬儀関係費用の対象内範囲・対象外範囲

死亡事故で発生する葬儀の費用には、加害者側に請求できる葬儀関係費用として認められる費用と認められない費用があります。

葬儀にかかる主要な費用としては、以下の4種類が挙げられます。
・葬儀関係費用
・仏壇・墓碑代
・香典返し
・遺体運搬費用

それぞれ葬儀関係費用の対象となるのかどうか、次で詳しく見ていきましょう。

葬儀関係費用

葬儀にかかる基本的な費用は、葬儀関係費用の対象となります。

具体的に含まれる費用は、以下のとおりです。
・お通夜・葬儀費用
・火葬費用
・読経代
・戒名代
・お布施
・お花代
・遺族の交通費

これらは故人を送るために必要な費用であり、事故による死亡と直接的に関連するため、基本的に葬儀関係費用の対象として認められます。

実際にかかった費用を証明するために、領収書を発行し保管しておくようにしましょう。

仏壇・墓碑代

仏壇や墓碑の購入・設置にかかる費用は、葬儀関係費用もしくは別の損害賠償として認められる可能性があります。

本来であれば仏壇や墓碑は被害者のみでなく、将来にわたって家族や子孫にも使われるものです。

しかし、交通事故が原因で支出した費用であれば、損害に含まれるとする過去の裁判例もあり、個別の状況によって判断が分かれています。

仏壇や墓碑の費用が損害賠償として認められるケースであっても、必ずしも全額が請求できるわけではなく、社会通念上相当とされる金額が上限となるのが一般的です。

香典返し

香典返しにかかる費用は、基本的に葬儀関係費用とは認められません。

香典によって得た収入は、社交場の儀礼として相当な範囲であれば葬儀費用から差し引く必要はなく、そのまま遺族の利益として受け取れます。

その代わりに、香典返しは損害として加害者に対して請求できないというのが一般的な考え方です。

弔問客から受け取った香典に対してお礼をする場合でも、香典返しの費用は加害者側に請求できないと考えておくのが無難でしょう。

遺体運搬費用

遺体運搬費用に関しては、原則として葬儀関係費用には含まれませんが、別途加害者側に対しての請求が認められています。

遺体運搬費用とは、故人の遺体運送が必要となった際に生じる費用です。

たとえば病院から葬儀場まで遠方からの移動が発生した場合には、葬儀関係費用とは別に実費を請求できます。

 

葬儀関係費の基準額

交通事故による葬儀関係費用の算出の際、大きくわけて3つの基準が用いられます。
・自賠責基準
・任意保険基準
・弁護士基準

算出基準によって受け取れる葬儀関係費用が異なる可能性もあるため、しっかりと違いを理解しておきましょう。

各基準について、以下で一つずつ解説していきます。

自賠責基準

自賠責基準の葬儀関係費用は、100万円が上限です。

自賠責保険は、日本において義務付けられている自動車保険で、賠償額の基準は法律で定められています。

葬儀関係費用に関しても自賠責保険の基準額は一定で、100万円を超える部分については原則として補償されません。

任意保険基準

任意保険基準の葬儀関係費用は、100万円程度が基準となります。

任意保険とは、強制加入である自賠責保険に加えて、加入者が自分の意思で保険会社を選択して加入する自動車保険です。

弁護士に依頼しない場合、基本的に加害者側の任意保険会社の担当者から、葬儀関係費用の賠償額を提示されます。

基準となる金額は保険会社や契約内容によっても異なりますが、葬儀関係費用に関しては自賠責基準と同程度の金額となるケースが多いでしょう。

弁護士基準

弁護士基準の葬儀関係費用は、原則として150万円が上限とされています。

弁護士基準とは、事故の被害者側が弁護士に依頼した場合に適用される基準です。

上限が150万円となっているため、弁護士への依頼によって、自賠責や任意保険の基準額以上の葬儀関係費用を請求できる可能性があります。

ただし、実際に支出した費用が150万円以下であった場合、実際に支出した費用分のみが請求の対象となる点に注意が必要です。

葬儀費用が150万円を超える場合

交通事故で死亡した場合の葬儀関係費用は、もっとも高額となる弁護士基準であっても原則150万円が上限となっています。

しかし、葬儀の規模によっては、実際にかかる費用が150万円を超えるケースもあるでしょう。

ここでは150万円が上限となっている理由や、150万円を超える葬儀関係費用が例外的に認められる事例について詳しく解説していきます。

なぜ150万円が上限なのか?

弁護士基準における葬儀関係費用の上限が150万円である理由としては、以下のような内容が挙げられます。
・客観的な金額として個々の被害者における必要かつ相当な葬儀関係費用を算出するのは容易ではないため
・交通事故死亡者の葬儀関係費用における公平性を保つため
・葬儀関係費用は交通事故での死亡が発生しなくてもいずれは支出する性質のものであるため
・実際の葬儀では弔問客からの香典収入によって遺族が負担する金額が軽減されるため

実際のところ、すべての状況において150万円の上限が必ずしも妥当とはいえません。

原則として上限となる基準が定められてはいますが、150万円以上の葬儀関係費用を巡って裁判で争うケースもあります。

150万円を超えた葬儀費用が認められる例

例外的に150万円を超える葬儀関係費用が認められる可能性のあるケースとしては、以下の事例が挙げられます。
・被害者の社会的地位から大規模な葬儀を行わざるを得ない場合
・実際に支出した高額な葬儀費用を証拠によって明らかにした場合
・死亡場所と居住地が離れており2回の葬儀を行う必要があった場合
・被害者が学生であったために学校関係者など多数の参列者がいる場合

上記のように特別な事情がある場合に、150万円以上の葬儀関係費用の請求が認められた裁判例もあります。

ただし、なんらかの事情があったとしても、加害者側との示談交渉で150万円を超える葬儀関係費用を請求するのは難しいケースが多いでしょう。

基準額以上の葬儀関係費用が必要となる具体的な状況や根拠を明確に示すには、弁護士へ相談しアドバイスを求めるのがおすすめです。

 

交通事故の葬儀関係費請求で悩んだら弁護士に相談しよう

交通事故で被害者が死亡した際の葬儀関係費用について、どこまでが補償の対象として認められるかは難しい判断となります。

自賠責基準における葬儀関係費用は100万円、弁護士基準では150万円となっていますが、実際には基準額以上の葬儀費用がかかるケースも多いでしょう。

基準額よりも葬儀費用が高額となる場合や、加害者側の保険会社から提示された葬儀費用に納得がいかない場合には、早めに弁護士へ相談するのがおすすめです。

弁護士に相談すると請求できる葬儀関係費用増額の可能性があり、被害者の遺族が適切な損害賠償を受けるためのサポートを受けられるメリットがあります。

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