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交通事故の高次機能障害とは?損害賠償や具体的な症状について解説

2022年06月27日

交通事故によって脳にダメージを受けると、高次脳機能障害が生じる可能性があります。

脳の障害は目に見えてわかるものではなく、交通事故の後遺障害として認められにくい場合もあるため、申請を行う際には注意が必要です。

今回の記事では、高次脳機能障害がどのような障害なのか、またどういった項目が損害賠償請求できるのかなどを解説していきます。

損害賠償金に関する注意点も解説しますので、交通事故の被害にあった際の参考にしてみてください。

 

高次脳機能障害とは?

高次脳機能障害とは、なんらかの脳の損傷によって、記憶力・注意力・行動・感情コントロールなどの能力に問題が生じる障害です。

ケガのように目に見える傷病ではないため、周りに理解されにくく、本人も自覚しづらいという特徴があります。

高次脳機能障害の主な症状は、次のとおりです。
・記憶障害
・注意障害
・半側空間無視
・遂行機能障害
・社会的行動障害
・失行症
・失認症
・失語症

それぞれの具体的な症状について、以下で解説していきます。

記憶障害

記憶障害は体験したできごとを覚えられなかったり、過去を思い出せなくなったりする障害です。

記憶障害の具体的な症状例は、以下のとおり。
・人の顔や名前を覚えられない
・何度も同じ質問を繰り返す

記憶力には、新しい物事を覚える「記銘力」と過去の記憶を思い出す「想起力」などがありますが、高次脳機能障害では記銘力への影響が大きい傾向にあります。

注意障害

注意障害は、気が散りやすくひとつの物事に集中できなくなる障害です。

具体的な症状例は、以下のとおり。
・落ち着きがなく、ミスが多い
・常にぼんやりとしている

「状況に応じた注意の変換がうまくできない」「反応が遅くなる」なども注意障害の症状になります。

半側空間無視

半側空間無視は、左右どちらか片方の空間を認識できなくなる障害です。

半側空間無視の具体的な症状例は、以下のとおり。
・右ばかりを向くようになる
・左側の文字を無視して読む

自身から見て左側の空間を認識できなくなるケースが多く、その場合には右側ばかりに注意が向くようになります。

遂行機能障害

遂行機能障害は、物事を計画立てて実行するのが困難になる障害です。

具体的な症状例は、以下のとおり。
・人から指示されないと行動できない
・約束の時間や期日を守れない

優先順位を付けて行動するなどの効率的な判断ができなくなり、何をすればよいのかわからなくなってしまいます。

社会的行動障害

社会的行動障害は、社会生活や対人関係に大きく影響するような問題行動を起こしてしまう障害です。

具体的な症状例は、以下のとおり。
・意欲が低下し、ゆううつな気分が続く
・怒りやすく、暴力的になる

感情のコントロールが困難になり、状況に応じた行動ができなくなります。

失行症

失行症は、日常生活における簡単な動作が困難になる障害です。

具体的な症状例は、以下のとおり。
・衣服の着脱ができなくなる
・箸の使い方がわからなくなる

ケガや麻痺などの身体的な問題がないにもかかわらず、これまで当たり前にできていた動作ができなくなってしまいます。

失認症

失認症は、物事を認識したり理解したりするのが難しくなる障害です。

具体的な症状例は、以下のとおり。
・知人の顔や声を認識できない
・字が読めなくなる

視覚に症状が出た場合、目に見えているのに、それが何かわからないというような状態になります。

失語症

失語症は、話す・聞く・読く・書くなど言葉を扱うための動作が困難になる障害です。

具体的な症状例は、以下のとおり。
・言いたい言葉が出てこない
・人が話している言葉を理解できない

会話するのが難しくなったり、書かれている文字を理解できなくなったりします。

 

高次脳機能障害の損害賠償

高次脳機能障害の後遺障害として請求できる損害賠償には、次のようなものがあります。
・慰謝料
・逸失利益
・将来介護費

適切な損害賠償を受けるためには、高次脳機能障害を「後遺障害」として認めてもらう必要があります。

認められた後遺障害の等級によって賠償金額に大きく差が出るため、申請手続きは慎重に進めましょう。

それぞれの損害賠償について、以下で詳しく解説していきます。

慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害が残った精神的苦痛に対する賠償です。

後遺障害等級が認定されると、加害者側に後遺障害慰謝料を請求できます。

高次脳機能障害として認定される可能性の高い1級・2級・3級・5級・7級・9級の慰謝料基準は、以下の表のとおりです。

後遺障害等級 自賠責基準の慰謝料 裁判基準の慰謝料
1級 1650万円 2800万円
2級 1203万円 2370万円
3級 861万円 1990万円
5級 618万円 1400万円
7級 419万円 1000万円
9級 249万円 690万円

逸失利益

逸失利益とは、交通事故がなければ得られたであろう将来の収入をいいます。

後遺障害が残った場合の逸失利益の一般的な算出方法は、以下のとおりです。

後遺障害逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失年数に対応するライプニッツ係数

後遺障害逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失年数に対応するライプニッツ係数

後遺障害による労働力の低下や収入の変化、将来の昇進への影響、失業にかかる不利益の可能性などを考慮して算定されます。

上記の計算式は少し複雑なため、逸失利益を請求する際は弁護士に相談して見積もりを出してもらうといいでしょう。

将来介護費

将来介護費は、生涯にわたって必要な介護費用に対する賠償です。

交通事故が原因の高次脳機能障害で、日常生活に必要な動作が困難になり介護が必要になった場合は、加害者側に将来介護費を請求できます。

高次脳機能障害であれば誰でも請求できるわけではなく、後遺障害の等級などによっては認められないケースもあるため注意が必要です。

高次機能障害の損害賠償金に関する注意点

高次機能障害の損害賠償を請求する際に、次の注意点を確認しておきましょう。
・損害賠償の受け取りに時間がかかる
・損害賠償請求権の消滅時効
・損害賠償金の提示額が低くなる可能性

それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。

損害賠償の受け取りに時間がかかる

高次脳機能障害の場合は、損害賠償金や自賠責保険金を受け取れるまでに時間がかかる傾向にあります。

後遺障害等級認定の審査を慎重に行なう必要があるからです。

後遺障害等級認定の審査は通常2カ月~3カ月程度で終わりますが、高次脳機能障害の場合は半年以上かかる可能性もあります。

また、示談交渉にも時間がかかる可能性があり、適正な賠償を獲得するためには裁判をしたほうがよいケースも多いからです。

損害賠償金を早く受け取りたい場合は、加害者側に前払いを交渉できるケースもあるので、一度弁護士に相談しましょう。

損害賠償請求権の消滅時効

損害賠償請求権には、3年または5年の消滅時効があります。

時効を過ぎてしまうと損害賠償請求が基本的にできなくなる可能性があるので、十分に注意しておきましょう。

交通事故で高次脳機能障害が生じた際の示談交渉は長期化するケースが多いため、手続きをスムーズにするため弁護士へ相談するのがおすすめです。

損害賠償金の提示額が低くなる可能性

加害者側の任意保険会社から、適正な金額より大幅に低い損害賠償金額が提示されるケースは少なくないので注意しましょう。

任意保険会社の賠償金算定方法は会社によって異なりますが、裁判所が認定する金額より低く算出されるのが通常であるからです。

弁護士に相談すると大幅な増額につながるケースも多いので、提示された損害賠償金に納得できない場合には、安易に応じないようにしましょう。

 

交通事故による高次脳機能障害で悩んだら弁護士に相談しよう


高次脳機能障害にはさまざまなものがありますが、いずれの症状であっても日常生活や社会生活が困難になってしまうケースは多いです。

そのような状況で、後遺障害等級認定の申請や損害賠償請求などをすべて個人で行うのは難しいでしょう。

適正な損害賠償を受けるためにも、交通事故で高次脳機能障害の症状が現れた場合は、早い段階で弁護士に相談するのをおすすめします。

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