交通事故の弁護士への依頼で費用倒れになるケース|費用倒れを防ぐためには?
2022年08月5日
交通事故で弁護士に依頼する際、費用倒れには注意しておく必要があります。
弁護士に依頼すると損害賠償金を増額できるケースは多いですが、かえって損をしてしまう可能性もあるため、慎重に判断するようにしましょう。
今回の記事では、費用倒れになる可能性のある交通事故の類型や、弁護士に依頼した際の費用相場について解説していきます。
費用倒れにならないための対処法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
交通事故で弁護士に依頼した際の費用倒れとは?
交通事故における費用倒れとは、弁護士に依頼して損害賠償金が増額したとしても、弁護士費用を差し引いたら受け取れる金額がかえって少なくなってしまった状態をいいます。
たとえば、相手方に提示された損害賠償金が30万円で、弁護士に依頼した結果50万円に増額し、弁護士費用が25万円かかったとするとどうでしょうか。
一見損害賠償金が増額して得をしたように感じますが、最終的に受け取れる金額は25万円なので、当初提示されていた30万円より5万円分損をしてしまう結果になるのです。
費用倒れになる理由
交通事故の損害賠償で費用倒れになってしまう大きな理由として、弁護士費用の「固定料金」があります。
弁護士費用には、成果に応じて支払う料金とは別に、成果と関係なく請求される固定料金が含まれているのです。
そのため、得られた成果が少なかった場合は固定料金が負担となってしまい、費用倒れになるケースがあります。
弁護士費用の中で「着手金」と「成功報酬」に固定料金が含まれている場合が多いので、費用倒れになる可能性がないかは事前によく確認しておきましょう。
費用倒れになる可能性のある交通事故の類型
費用倒れになる可能性がある交通事故の類型は、以下のとおりです。
・物損事故
・軽傷
・加害者が任意保険未加入
・事故の証拠が不足
・過失割合が大きい
基本的に損害賠償金が少ない事故や、回収が見込めない事故の場合には費用倒れのリスクが高まります。
上記のケースではなぜ費用倒れが起こってしまう可能性があるのか、一つずつ確認していきましょう。
物損事故
物損事故の場合、弁護士に依頼しても損害賠償金の増額が少ない傾向にあるため、費用倒れとなる可能性があります。
物損事故とは、人身事故と違って死傷者がおらず、器物の損壊のみの事故です。
損害賠償金の修理費用や買い替え費用等は、弁護士が介入したとしても大幅な増額が見込めないことが多いです。
軽傷
交通事故によるケガが軽傷である場合も、費用倒れとなる可能性があります。
慰謝料は基本的には治療に日数を要するほど高額になるので、1カ月以内の通院で完治するような軽微なケガでは請求できる金額は少ない傾向です。
そのため、加害者側の任意保険会社からの提示額と弁護士基準の算定額に大きな差がないケースが多く、費用倒れになりやすいといえるでしょう。
加害者が任意保険未加入
加害者側が任意保険未加入の場合、損害賠償金を回収しきれず費用倒れとなる可能性があるので注意が必要です。
車を運転するにあたって自賠責保険の加入は必須であるのに対して、任意保険への加入は任意となっています。
自賠責保険の補償には上限が定められているので、上限を超えた分は加害者が負担しなければなりません。
しかし、加害者本人に支払能力がないケースは多く、請求した損害賠償金をすべて回収できない可能性があるのです。
ただし、この場合でも、ご自身や家族の保険を活用して、損害賠償金相当の金銭を回収できる場合もあるので、まずは弁護士に相談することをおすすめいたします。
事故の証拠が不足
交通事故の損害を証明する証拠が不足していると、十分な損害賠償金を請求できずに費用倒れとなる可能性があります。
損害賠償金は通院記録・診断書・交通事故証明書など客観的な証拠をもとにして交渉するため、証拠がなければ弁護士に依頼したとしても増額は見込めません。
交通事故に巻き込まれた際は適切な対処を行い、被害者自身で証拠となる情報を集めておくようにしましょう。
過失割合が大きい
被害者の過失割合が大きい事故でも、費用倒れとなる可能性があります。
交通事故による損害賠償額には、被害者・加害者それぞれの過失の割合が重要な影響を及ぼします。
被害者側の過失の割合が大きいと請求できる損害賠償金が減額される可能性があります。
ただし、被害者側の過失が大きい場合でも、人身傷害補償保険や自賠責保険をうまく活用して、過失が無かったのと同じ程度の損害賠償金相当の金銭を回収できる場合もありますので、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故で費用倒れにならないための方法
交通事故で費用倒れにならないための方法は、次の2つです。
・弁護士費用特約の利用
・事前に見積もりを確認
弁護士に依頼したけど損してしまったという結果にならないために、しっかりと押さえておきましょう。
それぞれの方法について、以下で詳しく解説していきます。
弁護士費用特約の利用
弁護士費用特約に加入していれば、費用倒れとなる可能性は非常に低くなります。
弁護士費用特約とは、交通事故でかかった弁護士費用を、300万円程度まで保険会社が負担してくれる特約です。
保険会社の弁護士費用特約に加入していた場合、必ず利用するようにしましょう。
被害者自身が弁護士費用特約を契約していなくても、家族の自動車保険や火災保険などの弁護士費用特約が利用できる場合も
あるので、一度確認してみてください
事前に見積もりを確認
事前に弁護士費用と損害賠償金の見積もりを確認しておくと、費用倒れの回避につながります。
弁護士に依頼する前の相談段階で、損害賠償金を増額できる可能性や費用倒れのリスクについて説明を受けておくといいでしょう。
費用倒れになるかどうかを事前に判断するため、回収できる損害賠償金の見込みをしっかり確認した上で依頼するのをおすすめします。
費用倒れに不安があるなら交通事故に強い弁護士に相談しよう
費用倒れを防ぐためには、まず交通事故の知識・経験が豊富な弁護士に相談してみましょう。
事前に相談しておけば、弁護士費用や受け取れる損害賠償金の目安がわかるので、安心して依頼できます。
弁護士費用特約を利用できるなら費用倒れの不安を払拭できるので、加入している保険を確認しておくのも重要です。
当記事を参考に費用倒れのリスクを回避して、適切な損害賠償金を受け取りましょう。
当事務所のWEBサイトをご覧いただきありがとうございます。福井県内での移動は、車での移動が当たり前の「車社会」になっています。ただし、その反動として、福井において、不幸にして交通事故に遭われてしまう方が多数いることも事実です。しかしながら、福井県民の中で、交通事故の被害に遭ったときに弁護士の相談するという発想自体がないこと、弁護士が入れば適正な賠償金額を得ることが出来るということ等を知らない人が多いと実感しています。もし、皆様の周囲で交通事故被害に遭い、お悩みになられている方がいらっしゃいましたら、まずはお気軽にご相談下さい。