交通事故のむちうちにおける慰謝料|後遺障害認定でのポイント
2022年07月29日
交通事故の衝撃で首に大きな力が加わると、筋肉や神経が損傷し、むちうちが起こる場合があります。
交通事故でむちうちになった際、慰謝料や後遺症について不安を感じる人は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、むちうちの慰謝料相場や後遺障害認定を受ける際のポイント、入通院慰謝料の増額方法について解説していきます。
交通事故によるむちうちの慰謝料相場
交通事故でむちうちになった際の慰謝料相場(弁護士基準・通院のみで入院無しの場合)は、次の表のとおりです。
通院期間 | 慰謝料 |
---|---|
3カ月 | 53万円 |
4カ月 | 67万円 |
5カ月 | 79万円 |
6カ月 | 89万円 |
むちうちで請求できる慰謝料には「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2つがあり、上記は弁護士基準による入通院慰謝料の相場です。
治療終了後に痛みなどの後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定を受けると後遺障害謝料の請求が可能になります。
後遺障害には1級から14級までの等級があり、1級に近いほど症状が重く、請求できる慰謝料も高額になるのが特徴です。
むちうちで認定される可能性のある主な後遺障害等級と、弁護士基準の後遺障害慰謝料相場は以下のとおりです。
後遺障害等級 | 慰謝料相場 |
---|---|
第12級13号 | 290万円 |
第14級9号 | 110万円 |
慰謝料は通院日数・期間で決まる
むちうちの入通院慰謝料は、原則として、通院日数と期間で決まります。
慰謝料の算定方法には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、弁護士基準がもっとも高額になるのが通常です。
いずれの算定方法でも、実際に通院した日数や期間が長くなるほど増額される傾向にあります。
忙しいからという理由などで治療を途中で中断してしまうと、適正な慰謝料を受け取れなくなる可能性があります。
治療が終了するまでは、定期的な受診を心がけましょう。
むちうちで後遺障害認定を受けるポイント
むちうちで後遺障害認定を受ける際のポイントは、次のとおりです。
・早期に受診・検査する
・連続性、一貫性のある症状を訴える
・通院期間に注意
・後遺障害認定を受けやすい後遺障害診断書を書いてもらう
・被害者請求で後遺障害認定申請
後遺症が残った場合でも、原則として後遺障害等級認定を受けなければ後遺障害慰謝料は請求できません。
認定を受けられる確率を上げるために、各ポイントをしっかり押さえておきましょう。
早期に受診・検査する
交通事故後にむちうちの症状が出たら、早期に医療機関を受診し検査する必要があります。
受診するタイミングが遅れてしまうと、交通事故との因果関係を疑われ、関係のないケガと判断されてしまう可能性があるからです。
むちうちの症状は遅れて現れる場合も多いので、少しでも違和感があったらすぐに病院にかかり、必要な検査を受けましょう。
連続性、一貫性のある症状を訴える
「連続性」と「一貫性」がある症状を訴えるのも、重要なポイントになります。
後遺障害の認定には、むちうちの症状に連続性と一貫性が必要になるからです。
症状の連続性と一貫性を証明できなければ、交通事故と後遺症の因果関係を疑われる原因になりかねません。
交通事故によって生じたむちうちであると証明するために、病院での検査結果や自覚症状について継続的に記録してもらうなどの対策をとっておきましょう。
通院期間に注意
後遺障害認定を受ける際、通院期間や日数に注意する必要があります。
「通院期間に対して通院した日数が少なすぎる」など、適切に通院できていなかったと判断されると、認定を受けられない可能性が高いからです。
後遺障害認定に通りやすくするためにも、適切な頻度で治療を行いましょう。
後遺障害認定を受けやすい後遺障害診断書を書いてもらう
医師に、後遺障害認定を受けやすい後遺障害診断書を書いてもらうのも大切です。
原則として書類審査のみで認定されるため、後遺障害診断書の内容は非常に重要となります。
すべての医師が認定を受けやすい書き方をしてくれるとは限らないので、後遺障害認定書をきちんと書いてくれる病院を受診する、もしくは弁護士に相談するなどの対策が有効です。
被害者請求で後遺障害認定申請
被害者請求で、後遺障害認定の申請をするのも有効です。
後遺障害認定の申請方法には、被害者自身で申請する「被害者請求」と、加害者側の保険会社が申請する「事前請求」の2通りあります。
事前請求は自身で申請する必要がないのは利点ですが、保険会社が必ずしも被害者に有利な情報を集めて提出してくれるとは限りません。
自身で書類の内容を精査でき、確実に必要書類を提出できる被害者請求することをおすすめします。
むちうちで入通院慰謝料を増額させる方法
むちうちの入通院慰謝料を増額させる方法は、次のとおりです。
・治療期間・リハビリ期間の長さに注意
・通院頻度は週2~3回が目安
・治療費を打ち切られても通院をやめない
・弁護士に相談
慰謝料を増額させるためには、交通事故後の正しい対処が重要です。
それぞれの方法について、以下で詳しく解説していきます。
治療期間・リハビリ期間の長さに注意
症状が残っている間は、治療・リハビリは継続するようにしましょう。
適切な期間の治療・リハビリできていなかったと判断されると、認定を受けられない可能性が高くなります。
むちうちの場合は、6ヶ月以上の治療・リハビリ期間が後遺障害の等級認定を受けられる一つの目安になります。
医師から「完治」または「症状固定」と診断されるまでは、定期的な通院を続けてください。
通院頻度は週2~3回が目安
むちうちの場合、週2~3回の通院頻度が目安とされています。
治療の必要性を疑われないために、しっかりと通院して治療の実績をつくっておきましょう。
症状によって適切な通院頻度が異なる場合もあるため、担当医師と相談の上調整するようにしてください。
治療費を打ち切られても通院をやめない
もし加害者側の保険会社から治療費を打ち切ると言われたとしても、通院をやめないようにしてください。
保険会社は保険金の支払いを抑える必要があるため、一定の期間が過ぎた際に治療費打ち切りの連絡をしてくる場合があります。
医師が治療終了と判断するまでは慰謝料を請求する権利があるので、治療費の打ち切りにかかわらず自分の健康保険を使って、通院を続けましょう。
弁護士に相談
入通院慰謝料を増額するには、弁護士に相談するのが最善です。
被害者自身が保険会社と直接交渉しても、慰謝料を増額するのは難しいでしょう。
弁護士に依頼すれば示談交渉を任せられる上に、もっとも高額な算定方法である弁護士基準で慰謝料の金額を計算できます。
被害者請求による後遺障害認定などもサポートしてもらえるので、負担を軽減させたい場合にも弁護士への相談はおすすめです。
交通事故によるむちうちの慰謝料は通院日数と後遺症の対応が重要
交通事故によるむちうちで適切な慰謝料を受け取るためには、早期の段階で病院に受診し、定期的な治療を受けるのが重要になります。
後遺症が残った場合の後遺障害認定は必ず認められるとは限りませんので、納得できる等級が認定されるようしっかり準備して申請しましょう。
慰謝料の増額や後遺障害認定についてのアドバイスを受けたい場合は、早めに経験豊富な弁護士に相談するのをおすすめします。
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