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もらい事故における慰謝料の相場や請求条件

2022年12月12日

被害者側に過失のない「もらい事故」に遭った場合、慰謝料はどのくらいもらえるのか気になっている人は多いのではないでしょうか。

今回の記事では、もらい事故における慰謝料の相場や、慰謝料を請求する条件について解説していきます。

もらい事故でよくあるトラブルのケースや注意点についても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

 

もらい事故とは

もらい事故とは、被害者側にまったく過失のない交通事故です。

交通事故では加害者と被害者双方になんらかの過失があるケースが多いですが、もらい事故の場合は加害者のみに過失がある事故を指します。

もらい事故の具体例は、以下のような事故です。
・赤信号で停車中に後続車に追突された
・駐車場に駐車していたら前方不注意の車にぶつけられた
・信号無視をした車に追突された
・センターラインを越えた対向車に正面衝突された

もらい事故の慰謝料は3つ

もらい事故の慰謝料は、以下の3種類にわかれます。
・傷害慰謝料
・後遺障害慰謝料
・死亡慰謝料

事故で受けた損害状況により、請求できる慰謝料が異なるのが特徴です。

それぞれどのような慰謝料なのか、以下で詳しく解説していきます。

傷害慰謝料

傷害慰謝料は入通院慰謝料とも呼ばれ、交通事故で負ったケガを治療するために行う通院や入院で発生した、精神的苦痛に対する損害賠償です。

もらい事故が原因でケガをした場合、治療期間や入院日数に応じた傷害慰謝料を加害者側に請求できます。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害の等級認定がされると、傷害慰謝料とは別に請求できる損害賠償です。

後遺障害等級とは、事故によるケガが原因で残った後遺症の症状に応じて、1級から14級の等級に分類したものです。

後遺障害慰謝料を請求するには後遺障害等級の認定を受ける必要があるため、もらい事故が原因で後遺症が残ってしまった場合は必ず申請を行いましょう。

死亡慰謝料

死亡慰謝料は、交通事故で死亡させられた場合の精神的な苦痛に対する損害賠償です。

もらい事故の被害者が死亡してしまった場合に請求が認められ、死亡した被害者本人とその近親者に対して支払われます。

一般的に近親者として認められるのは、被害者の父母・配偶者・子ども等です。

 

もらい事故の慰謝料相場

もらい事故の慰謝料の相場を、慰謝料の種類別で紹介します。
・傷害慰謝料の相場
・後遺障害慰謝料の相場
・死亡慰謝料の相場

慰謝料の計算方法には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、ここではもっとも高額な弁護士基準の慰謝料相場について解説していきます。

相場のとおりの金額を必ず受け取れるとは限らないため、あくまでも目安として参考にしてください。

傷害慰謝料の相場

傷害慰謝料の慰謝料相場は、むちうちや打撲など軽傷の場合と、骨折や脱臼などレントゲンなどで異常のある重症の場合で基準が異なります。

軽傷時の慰謝料算定表は、以下のとおりです。

入院
通院
0月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
0月 0 35 66 92 116 135 152
1月 19 52 83 106 128 145 160
2月 36 69 97 118 138 153 166
3月 53 83 109 128 146 159 172
4月 67 95 119 136 152 165 176
5月 79 105 127 142 158 169 180
6月 89 113 133 148 162 173 182

(単位:万円)

重症時の慰謝料算定表は、以下のとおりです。

入院
通院
0月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
0月 0 53 101 145 184 217 244
1月 28 77 122 162 199 228 252
2月 52 98 139 177 210 236 260
3月 73 115 154 188 218 244 267
4月 90 130 165 196 226 251 273
5月 105 141 173 204 233 257 278
6月 116 149 181 211 239 262 282

(単位:万円)

算定表の単位は1万円となっており、たとえば2カ月入院して6カ月通院した場合の慰謝料相場は、軽傷時で133万円、重症時で181万円です。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料の相場は、認定された等級によって異なります。

等級に応じた弁護士基準の慰謝料相場は、以下のとおりです。

後遺障害等級 慰謝料相場
1級(要介護) 2,800万円
2級(要介護) 2,370万円
1級 2,800万円
2級 2,370万円
3級 1,990万円
4級 1,670万円
5級 1,400万円
6級 1,180万円
7級 1,000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

後遺障害等級は後遺症の症状によって認定される等級が決まりますが、申請しても非該当となる可能性もあるため注意が必要です。

被害者の属性 慰謝料相場
一家の支柱 2,800万円
母親・配偶者 2,500万円
その他 2,000万円~2,500万円

適切な後遺障害慰謝料を請求するためには、適切な等級の認定を受けられるかどうかが重要となります。

死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料は、亡くなった被害者の属性や立場によって慰謝料相場が決められています。

弁護士基準での慰謝料相場は、以下のとおりです。

上記の慰謝料相場は、被害者本人と近親者の慰謝料を合計した金額の目安です。

「一家の支柱」とは家計を支えている中心人物を指し、「その他」には独身の男女や子ども・高齢者などが含まれています。

 

もらい事故の慰謝料に関するよくあるトラブル

もらい事故の慰謝料に関するよくあるトラブルは、次のケースです。
・過失割合でもめるケース
・慰謝料が減額されるケース

被害者に一切の過失がないもらい事故のようにみえても、加害者と被害者の主張が食い違っている場合はトラブルにつながりやすいです。

それぞれのトラブルについて、以下で一つずつ確認していきましょう。

過失割合でもめるケース

よくあるトラブルの一つとして、過失割合でもめるケースが挙げられます。

過失割合とは、交通事故の当事者双方にどの程度の過失があるかを数値で示したもので、「7対3」や「80:20」のように表します。

もらい事故であれば被害者側に過失がないため過失割合は10対0となりますが、事故の状況や交渉次第で被害者側にも過失が付いてしまう可能性もあるため注意が必要です。

自己判断でもらい事故に該当するかを見極めるのは難しいため、加害者側とのトラブルを避けるためにも、一度専門家である弁護士に相談してみるのをおすすめします。

適切な金額の慰謝料の提示がないケース

もう一つのよくあるトラブルとして挙げられるのが、保険会社が提示してくる慰謝料が適切ではないというケースです。

この記事で書いた慰謝料の基準はいわゆる弁護士基準での金額になりますが、保険会社が示談で提示してくるのは自賠責基準や保険会社基準の低い金額を提示されることがほとんどです。

そのため、弁護士基準で慰謝料を請求するためには、弁護士に相談して適切な慰謝料を取れるようにしなければなりません。
 

もらい事故で適切な慰謝料を受け取るために弁護士に相談しよう


もらい事故は被害者側に過失がないため、被害者が加入している保険会社に示談交渉を依頼できず、被害者自身で加害者側と交渉を行わなければなりません。

そのため、もらい事故に遭ったらできるだけ早い段階で弁護士に相談し、アドバイスを受けるのをおすすめします。

弁護士に依頼すると示談交渉を任せられるだけでなく、弁護士基準の慰謝料を請求できるので、適切な損害賠償金を受け取れる可能性も高くなるでしょう。

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