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交通事故の実況見分とは?記録される内容や立ち合い時の注意点

2023年02月17日

交通事故の実況見分では、警察官が捜査として事故状況を調べます。

実況見分で具体的にどのような内容を確認されるのか、どのように対応すべきか気になっている人は多いのではないでしょうか。

今回の記事では、実況見分で記録される主な内容や、立ち合い時の注意点などについて解説していきます。

万が一の際に落ち着いて対応できるよう、ぜひ参考にしてみてください。

 

交通事故で行われる実況見分とは

交通事故における実況見分とは、加害者・被害者・目撃者など関係者の立ち合いのもと、警察によって行われる事故状況の確認です。

基本的に事故当日に行われますが、状況によっては日時をずらして行うケースもあります。

実況見分によって判明した事実は、実況見分調書と呼ばれる書類に記載されます。

実況見分で作成される実況見分調書は、その後の示談交渉において、過失割合の算定などに影響する重要な証拠書類です。

過失割合とは、交通事故の加害者と被害者にそれぞれどの程度の過失があるかを示した割合で、損害賠償額に影響を与えます。

実況見分の立ち合いは任意となりますが、適切な損害賠償を受けるためにも、できる限り協力するようにしましょう。

実況見分は原則人身事故でのみ実施される

実況見分は、原則として人が死傷した人身事故でのみ行われ、車やガードレールなどが損傷したのみの物損事故では実施されません。

交通事故の被害にあった際は、身体に痛み等がある場合は可能な限り人身事故として処理してもらうようにしましょう。

事故直後に痛みがなかったとしても、時間がたってから痛みやしびれなどの症状が出る可能性もあります。

また、本来人身事故であったのに物損事故として処理されてしまうと、適切な補償が受けられなくなってしまう可能性もあります。

示談交渉では過失割合や損害賠償金でもめるケースも多いため、人身事故として申請し、客観的な証拠となる実況見分調書を作成してもらっておくと安心できるでしょう。

 

実況見分で記録される内容

交通事故の実況見分で記録される主な内容は、次のとおりです。
・事故現場の状況
・事故発生時の状況
・事故車両の損傷度合い

上記の内容は立ち合い時に確認されるケースが多いため、わかる範囲で正確に答えるようにしましょう。

それぞれの内容について、以下で詳しく解説していきます。

事故現場の状況

事故現場の状況については、実際に現場を確認しながら、主に以下の内容を確認していきます。
・交通事故が発生した日時
・事故当時の天気・路面状況
・見通しのよさ
・信号機の有無
・事故現場の傾斜の程度
・道路規制の有無

とくに事故当時の天気や路面状況・見通しのよさなどは、事故状況を判断する上で重要な情報となります。

事故が起きてから日を置いて実況見分を行う際は、当時の状況を答えられるようにしておきましょう。

事故発生時の状況

事故発生時の状況については、具体的に以下のような内容を聞かれるケースが多いです。
・事故発生時の現場の明るさ
・事故発生時の信号の色
・事故発生時の車の速度
・ブレーキをかけたタイミング
・相手の車を発見した位置
・危険を感じた位置
・衝突した地点

立会人からの証言をもとにして、警察官が現場の測定・確認を行います。

細かい内容になるため、記憶を振り返りながら落ち着いて答えるようにしてください。

ドライブレコーダーなどの映像が残っている場合は、事故発生時の状況を確認できる重要な証拠となるでしょう。

事故車両の損傷度合い

実況見分では、交通事故を起こした事故車両の損傷度合いも確認します。
・タイヤの状態
・車体の傷
・車の整備状況

事故車両の状態は、事故の状況を図る上でも重要な情報です。

事故現場や事故車両については、後々の交渉時の証拠として役立つ場合があるので、自分のスマホカメラなどでも撮影しておくのをおすすめします。

 

実況見分立ち会い時の注意点

交通事故の実況見分立ち会いの際に注意すべき点は、次のとおりです。
・主張を曲げない
・立ち会いを拒否しない
・実況見分に立ち会えない場合

過失割合の決め方や損害賠償の交渉で不利な状況にならないよう、上記のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

各注意点について、以下で一つずつ解説していきます。

主張を曲げない

事故状況を警察官に伝える際は、途中で主張を曲げないように気を付けましょう。

交通事故の当事者である加害者と被害者は、実況見分時に事故状況を正確に伝える必要があります。

実況見分調書は後々証拠資料としても扱われるため、事実と異なる内容を伝えてしまうと信用を失い、示談交渉時に不利な状況になる可能性があります。

実況見分では、事実をしっかりと伝えることが何よりも重要です。

自分の説明した内容が加害者側の説明と異なっていたとしても、主張を曲げたり譲ったりせず、一貫した主張を心がけましょう。

立ち会いを拒否しない

実況見分は任意で行われるため拒否もできますが、可能な限り立ち会うようにしましょう。

当事者から聴取した内容は、実況見分を行っている警察官にとって、事故の印象を左右する重要な情報です。

立ち合いを拒否すると、警察官は当事者双方から話が聞けず、一方に偏った内容の実況見分調書が作成されてしまう可能性もあります。

自身の主張をしっかりと反映させるためにも、実況見分の立ち合いには応じておくのが得策です。

実況見分に立ち会えない場合は?

やむを得ず実況見分に立ち会えない場合は、警察側にあらためて日程調整をしてもらう必要があります。

入院や治療を要するケガを負った際など、その場で実況見分に立ち会えないケースもあるでしょう。

警察から日程調整の連絡が入らない場合は、被害者側から連絡するようにしてください。

 

交通事故の実況見分は重要な証拠となるためできる限り協力しよう

交通事故の実況見分で作成される実況見分調書は、過失割合や損害賠償額を決める示談交渉において、重要な証拠となります。

立ち合いにはできる限り協力し、正確な事故状況を伝えることが大切です。

ドライブレコーダーの映像や、事故直後に撮影した写真、事故状況のメモなど、自身の主張を裏付けられる証拠があれば立ち合い時に持参していきましょう。

実況見分や過失割合で悩んだ場合は、交通事故に強い弁護士に相談し、専門家の視点からアドバイスを受けるのがおすすめです。

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