交通事故で打撲を負った際の慰謝料の種類や相場
2023年01月27日
打撲は打ち身とも呼ばれ、交通事故などで強い衝撃を受けて、筋肉や骨・皮下組織が損傷した状態をいいます。
交通事故に遭い打撲と診断された場合、加害者に対してどの程度の慰謝料を請求できるのか、気になっている人は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、交通事故で打撲した際の慰謝料相場や、慰謝料請求する際の注意点について解説していきます。
打撲は交通事故で負いやすいケガの一つなので、損をしないためにも記事の内容を参考にしてみてください。
交通事故の打撲で請求できる主な慰謝料
交通事故による打撲で請求できる慰謝料は、主に次の2つです。
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的苦痛を補償するために支払われるお金です。
それぞれどのような慰謝料なのか、以下で詳しく解説していきます。
入通院慰謝料
入通院慰謝料は傷害慰謝料とも呼ばれ、交通事故のケガが原因で入院・通院する際の精神的苦痛に対する賠償金です。
交通事故で打撲を負い、入通院した場合に加害者へ請求できます。
実際に生じた精神的苦痛をお金で表すのは難しいので、入通院慰謝料では原則として治療期間を基準にして金銭に換算します。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、交通事故が原因で後遺障害を負った際の精神的苦痛に対する賠償金です。
打撲によって重度の内出血が起こると、神経や血管が圧迫され、手足のしびれや痛みなど神経症状の後遺症が残る可能性があります。
後遺障害慰謝料を請求するには、後遺症が残った事実に加え「後遺障害等級認定」への申請が必要です。
後遺障害には症状に応じて1級から14級までの等級があり、認定された等級によって請求できる慰謝料の目安が決められています。
交通事故で打撲した際の慰謝料相場
慰謝料の算出基準には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、それぞれ相場となる金額が異なります。
自賠責基準は被害者への最低限の補償を目的としているため、慰謝料相場はもっとも安いです。
任意保険基準は保険会社によって算定方法が異なるので一概にはいえませんが、一般的に自賠責基準と同等、もしくは少し高い程度とされています。
弁護士基準はもっとも高額になる可能性が高く、裁判所が実際に認定する金額にも近いため、当記事では弁護士基準での慰謝料相場を紹介していきます。
入通院慰謝料の相場
交通事故で打撲した際の入通院慰謝料相場は、以下の表のとおりです。
入院 通院 |
0月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0月 | 0 | 35 | 66 | 92 | 116 | 135 | 152 |
1月 | 19 | 52 | 83 | 106 | 128 | 145 | 160 |
2月 | 36 | 69 | 97 | 118 | 138 | 153 | 166 |
3月 | 53 | 83 | 109 | 128 | 146 | 159 | 172 |
4月 | 67 | 95 | 119 | 136 | 152 | 165 | 176 |
5月 | 79 | 105 | 127 | 142 | 158 | 169 | 180 |
6月 | 89 | 113 | 133 | 148 | 162 | 173 | 182 |
(単位:万円)
弁護士基準の入通院慰謝料は、入院した期間と通院した期間によって相場が決まっています。
入院なしで1カ月通院した場合の慰謝料相場は19万円、入院1カ月・通院3カ月の場合の慰謝料相場は83万円となります。
後遺障害慰謝料の相場
打撲の後遺障害(神経症状)で認定されうる後遺障害等級と、慰謝料相場は以下のとおりです。
後遺障害等級 | 症状 | 慰謝料相場 |
---|---|---|
第12級 | 局部に頑固な神経症状を残すもの | 290万円 |
第14級 | 局部に神経症状を残すもの | 110万円 |
神経症状には、身体の一部分の痛みやしびれ、めまいなどが該当します。
後遺症が残ったとしても、後遺障害等級の認定が受けられない場合には、後遺障害慰謝料の請求ができないため注意しましょう。
なお、交通事故の打撲で第12級の後遺障害等級の認定がされるケースというのはかなり少ないと思われます。
交通事故の打撲で慰謝料請求する際の注意点
交通事故による打撲で慰謝料などを請求する際の注意点は、次のとおりです。
・軽症でも必ず警察に報告
・事故発生後に病院で診察を受ける
・自己判断で通院を止めない
・保険会社から治療費の打ち切りを迫られても了承しない
適切な慰謝料などを受け取るために、上記のポイントをしっかり押さえておく必要があります。
それぞれの注意点について、以下で確認していきましょう。
軽症でも必ず警察に報告
交通事故に遭ったら、比較的軽傷で痛みが少なかったとしても、必ず人身事故として警察に報告しましょう。
人が死傷していない物損事故として届け出てしまうと、慰謝料や治療費といった損害賠償金を請求できなくなる可能性があります。
加害者から物損事故扱いにしてほしいと頼まれるケースもありますが、応じる必要はありません。
適切な補償を受けるためにも、人身事故として処理してもらうようにしてください。
事故発生後に病院で診察を受ける
交通事故発生後はすぐに医療機関を受診し、適切な診察や検査を受ける必要があります。
事故で打撲を負ってから受診するまでの期間が空いてしまうと、ケガと事故の因果関係を証明するのが難しくなるでしょう。
事故直後に痛みがなかったとしても、時間が経過してから痛み出す可能性もあるため、早めの診察が重要です。
なお、整体やカイロプラクティックでの治療は、通院期間などの対象とならないケースがほとんどなので注意してください。
自己判断で通院を止めない
治療中は自己判断で通院を止めず、医師の判断に従うようにしてください。
比較的軽いケガであったとしても、医師から「完治」または「病状固定」と診断されるまでは治療を続ける必要があります。
打撲による通院頻度は週2~3回程度が一般的ですが、症状や治療の経過によっても異なるので、医師に確認しながら適切な頻度で治療を続けましょう。
痛みがなくなったからといって途中で通院を止めてしまうと、受け取れる慰謝料が少なくなる可能もあるため注意してください。
保険会社から治療費の打ち切りを迫られても了承しない
治療中に保険会社から治療費打ち切りの連絡がきたとしても、了承する必要はありません。
打撲の場合、治療開始から1カ月~3カ月程度で保険会社から治療費打ち切りを打診されるケースが多いです。
本来の治療期間よりも早く治療を止めてしまうと、後遺症が残ったり慰謝料が少なくなったりするリスクがあります。
治療を継続する際は医師に治療終了時期を確認して、保険会社と交渉するようにしましょう。
打ち切られてしまったとしても、必要な治療と認められれば、自費で治療を続けた上で後から追加の治療費を請求できます。
交通事故で打撲を負った際のトラブルは弁護士に相談しよう
打撲は交通事故の被害としては軽傷と思われがちですが、強い痛みが出たり後遺症が残ったりする場合もあります。
当記事で解説した注意点を踏まえた上で、適切な損害賠償金を請求しましょう。
加害者側との示談交渉や損害賠償金請求で悩んだら、交通事故に強い弁護士に一度相談してみるのをおすすめします。
弁護士に依頼すると示談交渉などを任せられる上、弁護士基準で慰謝料を算定できるため、受け取れる損害賠償金を増額できる可能性が高いです。
当事務所のWEBサイトをご覧いただきありがとうございます。福井県内での移動は、車での移動が当たり前の「車社会」になっています。ただし、その反動として、福井において、不幸にして交通事故に遭われてしまう方が多数いることも事実です。しかしながら、福井県民の中で、交通事故の被害に遭ったときに弁護士の相談するという発想自体がないこと、弁護士が入れば適正な賠償金額を得ることが出来るということ等を知らない人が多いと実感しています。もし、皆様の周囲で交通事故被害に遭い、お悩みになられている方がいらっしゃいましたら、まずはお気軽にご相談下さい。
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