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専業主婦が交通事故に遭った場合の休業損害

2022年04月15日

交通事故の被害でケガを負い、働けなくなった場合に生じた休業損害は、加害者側に賠償請求ができます。

定期収入のある会社員であればイメージしやすい休業損害ですが、専業主婦には適用されないのかと疑問に思う人は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、収入のない専業主婦でも、家事ができなくなった期間の労働に対して休業損害の請求が可能です。

今回の記事では、交通事故にあった際に、専業主婦が請求できる休業損害について解説していきます。

 

休業損害とは

休業損害とは、休業によって生じた損害です。

具体的には、交通事故のケガが原因で、労働が制限されたことなどによって生じた収入の減少をいいます。

休業損害の補償を受けられるのは、働いている人です。

パートやアルバイトの人はもちろん、無収入の専業主婦(主夫)であっても家事従事者として働いている人に含まれ、休業補償の対象となる可能性があります。

ただし、専業主婦が請求できる休業損害は「主婦休損」とも呼ばれ、計算方法の基準や状況によって金額が変わってくるので注意してください。

 

交通事故にあった際に専業主婦ができる損害賠償項目


交通事故の被害を受けた際に専業主婦ができる損害賠償請求(人身)の主な項目は、次のとおりです。

• 治療費
• 通院時の交通費
• 休業損害
• 慰謝料(入通院慰謝料・後遺障害慰謝料)
• 逸失利益

後遺障害慰謝料と逸失利益は、事故による後遺症で後遺障害等級が認定された場合に請求できる損害賠償です。

なお、専業主婦が休業損害を損害賠償として請求するためには、次に解説する条件を満たす必要があります。

専業主婦が休業損害を受け取るための条件

専業主婦が休業損害を受け取るための条件は、家族のために料理や洗濯などの家事労働を行っていることです。

主婦の家事に給料は支払われませんが、家事を外部に依頼した場合には費用が発生するため、家事労働には経済的価値があると認められています。

そのため、収入のない専業主婦であっても給与所得者や事業所得者と同様に、家事従事者として家事労働ができなかった損害を請求できるのです。

専業主婦の休業日数の基本的な考え方

専業主婦の休業損害を計算するには、休業日数の考え方が重要となります。

会社員であれば仕事を休んだ日を休業日とするので簡単ですが、主婦が休業日を客観的に第三者に証明するのは難しいです。

また、家事労働ができないのが明らかな入院とは異なり、通院の場合は家事労働が完全に出来ないとは限らないため、休業日数の算定は難しくなります。

そのため、主婦の場合は、以下のような算定方法のいずれかを使って、休業日数日数を算定します。どの方式を使って保険会社に主張していくべきかは、弁護士に相談をすべきポイントになります。

• 通院・入院した日数を休業日数とする方法
• ケガが完治するまでの治療期間の中で、休業日数を段階的に計算する方法
 

専業主婦の休業損害計算方法


専業主婦の休業損害は、次の計算式で算出されます。

休業損害 = 1日あたりの基礎収入額 × 休業日数

「1日あたりの基礎収入額」をどのように算出するかによって、金額が大きく異なります。

基礎収入の計算方法の基準は、次の3つです。

• 弁護士基準
• 任意保険基準
• 自賠責基準もっとも高額な賠償請求になる傾向がある弁護士基準から順に、以下で計算方法を解説していきます。

弁護士基準

専業主婦の弁護士基準での休業損害計算方法は、次のとおりです。

休業損害 = 賃金センサスに基づいた1日あたりの基礎収入額 × 休業日数

弁護士基準では実際の1日あたりの収入をもとに基礎収入を算出しますが、専業主婦の場合には実際の収入はありません。

そのため「賃金センサス」による女性の平均年収(全年齢)をもとに、1日当たりの基礎収入を求めます。

賃金センサスとは、厚生労働省が毎年実施している賃金の統計調査です。

たとえば令和3年の賃金センサスによると、女性の平均年収額は385万9,400円であるため、1日あたりの基礎収入額は365日で割った「1万573円」となります。

弁護士基準の休業損害は女性の平均年収から算出され、制限は設けられていないので、任意保険基準や自賠責基準と比べて高額になる傾向です。

任意保険基準

任意保険基準の休業損害は、保険会社が独自の計算方法で算出しています。

そのため、保険会社によって金額が異なりますが、専業主婦の場合には以下の方法で計算されるケースが多いです。

• 自賠責基準と同様の計算方法
• 弁護士基準の計算方法などを用いて、そのうちの何割程度かの金額を提示される

任意保険基準は、基本的に弁護士基準より低額にはなります。

自賠責基準

専業主婦の自賠責基準での休業損害計算方法は、次のとおりです。

慰謝料は算定基準によって大きく異なります。

休業損害 = 6,100円 × 休業日数

自賠責基準では、実際の収入額にかかわらず、1日あたりの基礎収入額は「6,100円」と決められています。

6,100円は比較的新しく設定された基準額であり、令和2年4月1日より前に発生した事故については、日額5,700円が適用される点に注意してください。
働いていて収入を得ている人は、それを書類などで証明できれば実際の収入で計算してもらえます。

その場合の上限は、1日あたり19,000円とされています。

 

主婦の休業損害請求方法


休業損害が発生した場合、休業損害証明書や収入証明(源泉徴収票など)を保険会社に提出するのが一般的です。

しかし、専業主婦は給与所得者ではないため、休業損害証明書や源泉徴収票の提出は必要ありません。

この点は会社員とは異なりますので、注意が必要です。

専業主婦は具体的にどういった書類が求められるのか、次に解説します。

必要書類

専業主婦が休業損害を請求する場合、家庭内における主婦である立場を明らかにするため、家族構成が記載された住民票の提出等が求められことがあります。

また、休業日数の証明にあたっては、医師の診断書や通院時の領収書などが必要になることがあるので、適切に保管しておくようにしてください。

専業「主夫」である場合には、非課税証明書や配偶者の所得証明書が必要なケースも考えられます。
 

状況による休業損害の違い


状況によって、請求できる休業損害に違いが出る場合もあるので注意が必要です。

以下では、2つの状況の休業損害について解説します。

・家政婦や家事手伝いを雇う場合
・2世帯で暮らしている場合

上記の状況で休業損害にどのような違いがあるのか、以下で確認していきましょう。

家政婦や家事手伝いを雇う場合

専業主婦が家事を行えなくなったとき、家政婦や家事手伝いを雇う場合もあるでしょう。

このような家事代行サービスを利用した際、基本的には家事代行に支払った実費を休業損害として請求可能です。

しかし、家事代行の費用を休業損害として請求する場合は、専業主婦としての計算方法は適用されません。

家事代行の費用と専業主婦の休業損害費用について、どちらか一方の金額を請求することになります。

2世帯で暮らしている場合

2世帯で暮らしている場合は、家事を義理の母などと分担しているケースが考えられます。

その場合、休業損害の算出の基準となる基礎収入額が減額される可能性があるので注意が必要です。

基礎収入額が減額されるかどうかは、家事労働の分担割合などによって判断されます。

たとえば、半分ずつ家事を分担しているとすれば、基礎収入額も5割程度減額される場合が多いでしょう。

 

専業主婦の休業損害で悩んだら弁護士に相談するのがおすすめ

交通事故による被害にあった際、収入を得ていない専業主婦であったとしても休業損害の請求は可能です。

請求できる休業損害の金額は、計算方法の基準や家庭内の状況によって大きく異なる場合があります。

保険会社から少ない賠償額の金額を提示されるケースも多いです。

被害者本人が直接交渉して保険会社に支払いを促すのは簡単ではないので、適正な賠償金額を受け取るために、一度弁護士に相談するのをおすすめします。

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